今回ご紹介するのはビジネス用語の「PDR」です。
PDR法とかPDRサイクルとか言われるものです。
PDRには3種類ありますが、YouTuberのPDRさんでも、歯科用医療機器の「株式会社ピーディーアール」でもなくビジネス用語のPDRとなります。
そちらを求めている方は、「よくわからない」と思いながら最後まで読んでいただけると「よくわからない」気持ちがよくわかると思います。
誕生の背景から見ていきましょう。
PDCAサイクル

こちらは結構定着しているかと思います。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(測定・評価)
- Action(対策・改善)
からなるマネジメント用語です。
PDCA は、1950年代に品質管理の権威といわれる米国の統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミングが提唱したフレームワークで、企業の業務改善や効率化、それによる生産性向上を図るための考え方です。
それが最近になって「古い」とか言われ出したのです。最近かどうかは知らんけど。
PDCAサイクルは古い、時代遅れ
PDCAサイクルが「古い」「時代遅れ」と言われる理由は、ビジネスの変化スピードが速まっている中で、Plan「計画」に時間がかかりすぎるためです。
計画段階でつまづいて、他社が実行に移していれば、その時点で巻き返しが困難になってしまいます。
また、PDCAサイクルは、改善アイデアを思いついてすぐ実践するわけではなく、計画と実行に対して評価を行ったのちに、改めて改善に取り組むため、改善するために時間がかかるのもデメリットです。
こちらに関しても、改善に対して行動している他社がいれば巻き返しが困難になります。
PDCAに代わるサイクル

PDCAサイクルに代わるサイクルには、OODAループ、PDRサイクル、STPDサイクル、DCAPサイクルなどがあります。
今回はPDRサイクルに焦点を当てるのでちゃちゃっと流します。
OODAループ
以下の4要素からなります。
- Observe(観察)
- Orient(状況判断)
- Decide(意思決定)
- Act(行動)
行動を含む4つの工程があるので、実行動としてDoとActionのある、PDCAよりも遅くなりそうな気がしますが、この4つの工程を爆速で回すので、サイクルではなくループと言われます。
イメージの問題ですが、PDでOODAが1ループして、CAでOODAが1ループする感じと言えば想像しやすいかもしれません。
単純な考え方ですが、PDCAの2倍の速さで動くことができます。
STPDサイクル
- See(見る)
- Think(考える)
- Plan(計画)
- Do(実行)
の4つの工程からなります。こちらもOODAと同様、実行動フェーズのDが4工程に1つしかありませんが、計画の前に現状の把握と分析を行います。
これにより、現状に対して計画を立てることができるため、PDCAと比較してより現実的かつスピーディーに課題を解決できます。
比較的小規模なものに対するアプローチに向いています。というかほぼ1人でやるような規模感なものの経験しかないです、私は。
DCAPサイクル
DCAPサイクルは、
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
- Plan(計画)
のプロセスで構成されたフレームワークです。
PDCAサイクルと内容は同じですが、DCAPサイクルはまず動いてみるところから始まるのが異なります。
新しく取り入れようとしたら最も理解が得られそうな気がするのはDCAPサイクルですかね。
PDRサイクル
PDCAサイクルに代わるものとして、私の一番の推しメンなので贔屓して取り上げます。
- Prep(準備)
- Do(実行)
- Review(評価、見直し)
上記の3つのステップから構成されるマネジメントサイクルで、PDCAサイクルを簡略化した、スピード感を重視した考え方です。
Prep(準備)
- 目標や目的を言語化する
- 実行するための仮説を立てる
- 必要なリソースを準備する
こう見ると、PDCAのPlan(計画)と同じに見えますが、割とアバウトで構いませんので、とっとと次のDo(実行)に移ることが大切です。
正直、後で何か言われた時の言い訳として使うことが多い気がします。
Do(実行)
- 準備した仮説に基づいて行動する
シンプル・イズ・ベストですね。ただただ行動あるのみです。
Review(評価、見直し)
- 実行結果を評価する
- 改善点を検討する
- 次のサイクルに活かす
こちらもDo(実行)と並行して進めることが多いです。
評価したものを次の準備に使用して、改善点は次の行動に即当てるイメージで動くとスピーディに進められます。
PDCAのCheck(評価)ほど厳密には行いません。
PDRサイクルを活用することで、スピード感を重視したマネジメントを行うことができます。
PDRサイクルのメリット
PDRサイクルのメリットは、以下のとおりです。
- スピード感がある
- 改善がしやすい
- 状況に応じた柔軟な対応が可能
PDRサイクル推しとしては今までの説明で「察して!とっととやろう!」となりがちですが、一応メリットを明記します。
スピード感がある
PDCAサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)の4つのステップを踏むため、1サイクルの完了までに時間がかかる一方で、PDRサイクルはPrep(準備)・Do(実行)・Review(見直し)の3ステップで完了するため、1サイクルの完了が早くなります。
改善がしやすい
PDRサイクルでは、1サイクルの完了が早いため、実行結果の評価と改善をすぐに行うことができます。
そのため、PDCAサイクルよりも改善が早く行いやすいというメリットがあります。
状況に応じた柔軟な対応が可能
PDRサイクルは、状況に応じて柔軟にサイクルを回すことができるので、環境の変化が激しい場合でも、迅速かつ的確に対応することができます。
未だにPDCAサイクルを重視しているのは日本だけ説

まあ外国にも多少はいるでしょうけど、PDCAサイクル信者は少数派みたいですね。
1980年代までは海外でも重視されていました。
しかし、それ以降は新しい業務改善の手法が使われるようになり、最近では海外企業では「PDCAを知らない」まであります。
PDCAサイクルが日本企業で重視されるようになった背景
PDCAサイクルが日本企業で重視されるようになった背景には、以下の理由が挙げられます。
- 日本企業の製造現場における品質管理の成功
- 日本の企業文化
過去、確かにPDCAサイクルでのマネジメントで成功してきました。
それを未だに引きずっている企業文化により、今でもPDCA信者が多くいらっしゃいます。
海外の手法
海外では、以下のような手法が取られがちです。
- アジャイル開発
- リーンスタートアップ
アジャイル開発
アジャイル開発とは、顧客のニーズをより早く、より正確に反映したソフトウェアを開発するために用いられる手法です。
従来のソフトウェア開発手法であるウォーターフォール開発では、計画・設計・実装・テストという工程を順番に進めていくため、顧客のニーズが変化した場合に変更が容易ではありません。
一方、アジャイル開発では、短いサイクルで開発を繰り返しながら、顧客のフィードバックを反映していくため、変化する顧客のニーズに迅速に対応することができます。
リーンスタートアップ
リーンスタートアップとは、新規事業の立ち上げや成長に用いられる手法です。
従来の事業開発では、事業計画を策定し、それに沿って事業を推進する「計画型」が一般的でした。
しかし、リーンスタートアップは、顧客のフィードバックを基に、仮説を立て、検証、修正を繰り返して事業を推進する「仮説検証型」です。
なぜPDRサイクル推しなのか
これまでなんやかんや色々なよくわからない単語が出てきましたが、私はPDR推しです。推しメンです。
PDCAに代わるものを探す意味では、他のOODA、STPD、DCAPよりも1文字少ないという点でわかりやすいからです。
海外の事例と比較すると、どうも日本に向いてない気がします。とはいえアジャイル開発はシステム分野では必要な気がしますが。
合う合わないがどうしても出てくるものだと思いますが、他社の成功事例を真似したがる日本企業では、思い切り不向きと言えそうです。
海外手法のデメリット
アジャイル開発、リーンスタートアップでは、経験やスキル、コストが必要です。
両者とも、成功させるためには、経験やスキルが必要であり、コストもかかる場合があります。
そのため、導入する際には、自社に適した手法であるかどうかを慎重に検討する必要があるのです。
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